一般的に使われる塗料は、塗料に含まれる樹脂によってく、アクリル系、ウレタン系、シリコン系、
フッ素系の4つに分けられます。
アクリル系
安価で施工しやすい塗料です。紫外線に弱い為直射日光にさらされる場所の塗装にはあまり向いていませんが、施工場所を選んで塗装すれば、お得に仕上ることができます。
4〜6年
ウレタン系
安価で水はじきが良い塗料です。紫外線にも強い、塗膜面が柔らかく亀裂が入りにくいのですが、防汚性で劣ります。
7〜10年
シリコン系
ガラス質の硬化塗料のため、耐久性、耐熱性、防汚性にも優れている塗料です。
10〜12年
フッ素系
シリコンよりも耐久性が高い塗料です。性能が良い分、一般に普及している塗料の中で一番高価です。
12〜15年
塗装の工事価格は、耐久性のよい塗料を使うほど高くなります。(下図参照)
耐久性がよくなるということは、少ない塗替え回数で美観を維持できる、ともいえます。
☆30年間の外壁塗替え回数(目安)
シックハウスを引き起こす要因は、主にカビ、結露、化学物質です。化学物質の中でも特に有害はホルムアルデヒドは建材そのもの、建材を張り合わせる接着剤、そして塗料にも含まれています。
家の中を彩る塗料に有害物質が含まれているのは残念ですが、シックハウス対応の建材・塗料もあります。
左官材
原 料
特 徴
珪藻土
(けいそうど)
珪藻土とは、植物性プランクトン(珪藻)の化石で、これが海底や湖底に堆積し、何千万年という年月を経て泥土化したものです。
超多孔・超微細構造(スポンジのような構造)を持つ軽い土で、孔の数は木炭の5千から6千倍といわれます。この構造により、調湿効果、消臭効果、室内の揮発性化学物質の吸収効果が期待されます。また防火性にも優れるため、内装・外装の両方に使用できます。
漆喰
(しっくい)
漆喰とは、消石灰を主原料とし、これに糊と麻・藁等の繊維質を加え水で練り上げたものです。
防火性が高く耐久性に富んでいるのが特徴で、古くは土蔵や城壁に使われました。
また珪藻土と同じように、調湿性・断熱性・可塑性などにも優れています。
白州
(しらす)
白洲とは、火山の噴火によって堆積した火山灰を高温で処理し、綿花などの植物性の成分を混ぜたものです。
多孔質な構造をもつため吸音性、調湿性、断熱性、耐火性に優れています。多孔質で表面積が大きく、消臭性に優れ、調湿機能が高いのが特徴です。
塗装剤
原 料
特 徴
漆
(うるし)
漆は、日本や東南アジア地域に分布する漆の木の樹液が原料です。
漆は、ペンキとは違い、漆自体が水と反応して乾燥するので、乾燥後の塗膜は強くて硬く、耐熱性に優れます。また漆ならではの質感、光沢も魅力的です。
柿渋
(かきしぶ)
渋柿は、渋柿に含まれるタンニンを自然発酵させたものです。
銀杏のような独特の臭みがありますが乾くと自然に抜けてきます。防虫・抗菌・防腐・消臭・防水作用があります。
自然塗料
(しぜんとりょう)
自然塗料とは植物油、植物樹脂などを主成分とし、自然界に存在するものでつくられたものです。
自然界のものを原料としているため環境や人体への負荷がほとんどありません。化学塗料より価格は高めですが、変色や傷から守るという塗料本来の目的を装飾を含めて、確実に達成してくれます。
化学塗料や住宅建材の中に含まれるVOC(揮発性有機化合物)が室内の空気中に飛散し、それが体に悪影響を及ぼすことがあります。VOCには、トリクロロエチレンや、ホルムアルデヒド、トルエン、ベンゼン、キシレンなど様々なものがありますが、このうちホルムアルデヒドについては国が法律で使用を制限し、ホルムアルデヒドの発散レベルをメーカーの自主責任で表示することが義務づけました。(下表参照)
F☆☆☆☆(フォースター)
ホルムアルデヒドの放散量がゼロか微小で使用面積制限がない材料です。
F☆☆☆(スリースター)
使用できる面積に一定の制限がある材料です。
F☆☆(ツースター)
F☆
使用禁止です。
ホルムアルデヒドについては、「F☆」ガイドラインがありますが、シックハウスを引き起こす要因はホルムアルデヒドだけではありません。室内のVOC(揮発性有機化合物)量を総合的に考え、塗料や建材を選択することが必要です。化学塗料の中には、環境対応シリーズとしてVOC量を抑えたものがありますので、室内の塗料を選ぶ際には「F☆☆☆☆でVOC量が低いものがいい」と塗装業者に一言伝えていただくと、よりクリーンな室内環境を実現することができます。
太陽光線は、紫外線、可視光線、赤外線の3つで構成されています。このうち光線全体の50%を占める赤外線が物質の発熱を起こす原因の光線です。遮熱塗料は、赤外線領域の波長を反射させることで、建造物を熱から保護し、太陽光エネルギーを熱に変換させない特性をもつ塗料です。